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マンション大規模修繕の闇 談合やリベートだらけの業界

マンション大規模修繕の闇

公正取引委員会の立ち入り検査により談合が明るみに

大規模修繕工事で談合を繰り返したとして、公正取引委員会は施工業者30社超と設計コンサルタント2社の独占禁止法違反(不当な取引制限)を認定し、再発防止に向けた排除措置命令を出す方針を決めた。(2026年6月11日時点)

100件を超えるマンションで談合が行われたと認定し、排除措置命令のほかに課徴金16億円を課すと発表した。
【新聞報道】新聞各社報道記事 >> 260612_dangou.pdf

公取委が排除措置命令を出すとみられる企業

■管理会社および系列企業(4社)

日本ハウズイング、東急コミュニティー、長谷工リフォーム、合人社エンジニアリング

■施工業者(32社)

大京穴吹建設、建装工業、アイピー21、J-BISメンテナンス、シミズ・ビルライフケア、SMCR(三井住友建設株式会社のグループ企業)、イワサ・アンド・エムズ、リニューアルウィングス、NAKAMURA、ヤマギシリフォーム工業、リノ・ハピア、南海工業、ニーズワン、ヤシマ工業、日装・ツツミワークス、ニットクメンテ、エム・トラスト、アール・エヌ・ゴトー、シンヨー、アルテック、伊勝、カズキ、サカクラ、大和、富士防、リノー、セラフ榎本、太陽、LINK’S、ティーエスケー、大塗、ダイワテック
(すべて資本金1億円以上の企業)

■設計コンサルタント(2社)

翔設計、リノシスコーポレーション

 

追加で約20社に公取委が立ち入り調査

東海地方にあるマンションの大規模修繕工事で談合を繰り返したとして、公正取引委員会は2026年7月28日、工事業者約20社と設計コンサルタント「T.D.S」(東京都中央区)を独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで立ち入り検査した。

立ち入り検査を受けた業者は、T.D.S、長谷工コーポレーション(東京都港区)、浅沼組(大阪市)、オチアイ(名古屋市)、カシワバラ・コーポレーション(山口県岩国市)、建装工業(東京都港区)、シンヨー(川崎市)、大京穴吹建設(高松市)、中日装業(名古屋市)、中村建設(静岡県浜松市)、日装・ツツミワークス(東京都豊島区)、日本ハウズイング(東京都新宿区)、長谷工リフォーム(東京都港区)、マルコオ・ポーロ化工(愛知県豊田市)、ユニホー(名古屋市)など。

朝日新聞記事 → 設計コンサルが談合主導か マンション大規模修繕、東海でも立ち入り

毎日新聞記事 → マンション修繕談合、業界団体幹部の会社に検査 不適切体質残る

 

主導した設計コンサルタントは業界団体「MCA」の発起人・理事

「不適切コンサルタントの排除」を高らかに謳い、厳格な倫理規定を設けている一般社団法人 全国マンション改修設計コンサルタント協会 (MCA) の発起人・理事である翔設計、T.D.Sがこのような不正にかかわっているとの報道により、MCAの信頼性が疑われはじめています。

 

これがすべてではない?

今回の談合摘発は一部のものであり、その他のマンションや企業が安全であるとは言い切れないでしょう。あくまでも調査対象となった事案が公表されただけとみるべきであり、公正取引委員会には今後も他の事案について継続的な調査が行われることを期待します。

 

マンション大規模修繕の変遷

マンション大規模修繕がこれまでどのように行われてきたか、管理会社や設計コンサルタント(以下「コンサルタント」)、施工業者のかかわりや手法について解説してまいります。

大規模修繕工事は管理会社の独占状態

20~30年ほど前は、大規模修繕工事はかなりの確率で管理会社主導による工事が進められていて、建築に詳しくない管理組合は修繕工事をどのように進めればよいかよくわからず、管理会社に任せるしか方法がありませんでした。

管理会社が工事の元請けとなって1社独占の状態で、管理組合も修繕計画の予算内で提示された工事金額にあまり疑問を持たずに承認し、工事が行われていました。ただし、この修繕計画は新築時に管理会社が作成したものなのです。

また、新築購入時には修繕積立基金という数十万円の一時金を支払っています。月々の修繕積立金が据え置かれたまま2度目の大規模修繕を迎えた場合、仮に1回目と同じ項目、数量で工事を行えば、購入時の一時金の分だけ積立金は不足することになり、借り入れをするか月々の積立金を値上げするかしかなくなりますが、これは管理会社へ支払う工事費を結果的に増やすことにもつながります。

大規模修繕工事だけでなく、インターホン、機械式駐車場、エレベーター交換やその他の小修繕工事など、管理会社を通せばすべてにマージンが大きく乗っています。様々な工事の情報は管理会社が握っており、工事を受注する施工業者はいかに管理会社に入り込めるかが重要で、管理会社に背くことなどできないのがこの業界の常識です。

ネットの普及で選択肢が増えるが・・・

2000年以降はインターネットの普及により、

  • 管理会社の工事は高い
  • 自分たちで施工業者を見つけて工事費を安くできた
  • 修繕に詳しい建築士にアドバイスを受けて工事費を安くできた

という情報を目にするようになり、管理組合自身でよりよい方法を探せるようになってきたのです。

これと同時に大規模修繕を主とするコンサルタントが徐々に増え、この頃はまだまだまじめな設計事務所が多数存在していました。

一方で、マンションの修繕工事を行いたい施工業者は、大規模修繕工事の時期を知ることはできないため、積極的に管理会社やコンサルタントに営業をかけます。今まで多くのバックマージンを管理会社に支払ってきた施工業者は、コンサルタントにもバックマージンを支払う代わりに自社を勧めてくれと話を持ち掛け、2010年頃には多くのコンサルタントと施工業者が癒着して談合グループが形成されていきました

管理会社にも変化が現れる

管理会社に任せていては高い工事費になると管理組合も認識していたため、管理会社は元請けとなる工事を減らし、管理会社が建物診断と改修設計を行い、工事は複数の施工業者から相見積りを取り、管理組合に選択させるという設計監理(コンサルタント)方式が主流となってきました。(じつは建物診断や改修設計は管理会社が行わず、施工業者が行っているケースが多いです)

しかしこの施工業者は管理会社の息のかかった会社ばかりで、どこが受注しても管理会社への大きなバックマージンが乗っているといういわゆる談合が行われているケースが多くを占めていました。

修繕工事の不具合は施工業者の責任となり、元請けではない管理会社には責任がなく、また、管理会社にとっては利益を確保できるため、この方が好都合だったのです。

管理会社と悪質コンサルタントが結託?

管理会社とコンサルタントは競合相手という関係性で、しのぎを削っていましたが、いつしか管理会社と悪質コンサルタントが結託するようになり、管理組合へ管理会社がコンサルタントを紹介して施工業者と談合を行い、その利益を分け合う関係性となっていきました。

管理会社はより多くの管理物件を受注することに注力して、既存マンションの管理会社変更(リプレイス)や中小管理会社を買収して大規模修繕の素となるマンションを増やし、大規模修繕工事は悪質コンサルタントを紹介し、マージンを得る方が管理会社としては業務負担が減り、収益性が上がる結果となっていったのです。

 

談合イメージ

大規模修繕の運営方式

  • 管理会社が元請けとなって工事を行う責任施工方式(管理会社主導)
  • 管理会社が設計監理を行い、施工業者が工事を請け負う設計監理方式(管理会社主導)
  • 管理会社が施工業者を紹介する施工業者による責任施工方式
  • 管理会社がコンサルタントを紹介する設計監理方式
  • 管理組合がコンサルタントを公募する設計監理方式
  • 管理組合が施工業者を公募する責任施工方式

 

談合はなぜ起きる?その手口とは

管理会社と悪質コンサルタントが手を組むことによって競合を排除でき、高い利益率と多くの受注を得られるためです。
施工業者にとっても、公正競争入札で価格を下げて他社と競争するよりも、談合によって高い利益を上げた方が都合がよいのです。

悪質コンサルタントの手口

1.管理会社の紹介
  • 談合を行うコンサルタントを紹介し、施工業者からもらったバックマージンを管理会社と分けあう
2.管理組合によるコンサルタントの公募
  • コンサルタント費用を低価格で提示して受注後、施工業者からのバックマージンで儲ける

特定業者への誘導方法

一般的に施工業者を公募する場合、建設業新聞などに掲載して募集します。
応募業者が複数社(マンションの総戸数にもよりますが、10数社~20社程度)いて、その中から見積り依頼する会社を複数社 管理組合と協議して決めていきます。

大規模修繕の業界では、どのコンサルタント・管理会社がどの施工業者とグループになっているかが知られているので、グループ外の施工業者は新聞公募情報を見ても応募しないため、応募会社は10社未満になることが多いです。

<施工業者の募集段階>
  • 公募をしないで談合グループ会社だけに声掛け
  • 公募条件を談合グループ会社しか応募できないように操作(資本金・受託実績金額・評点の足切りなど)
  • 公募で談合グループではない会社からの応募を排除(管理組合に報告せず応募がなかったことに)
<見積書受け取り後>
  • 見積り比較表を改ざんして談合グループ会社を有利に

受注後の手法

  • 建物検査や設計仕様の作成は施工業者が行う
  • 工事監理をほぼ行わず、施工業者の現場監督に報告書を作成させる
    管理組合との打ち合わせでは、自分が現場をチェックして書類を作成したかのように管理組合に報告
  • 設計見積書は、判断しやすい「単価」はあまり高くせず、「数量」を水増しする
  • 特定の建設資材を指定して資材メーカーからマージンを受けとる
  • 談合グループ内で持ち回りの落札予定企業A社がチャンピオンとなり、A社の見積書を見てB社、C社が金額を上乗せして管理組合に見積提出

その他の気を付けるべき悪質な手口

  1. 施工業者がマンションの1室を購入して、理事や委員となって自社へ誘導
  2. なりすまし
    (施工業者が居住者に取り入って居住者になりすまし、大規模修繕委員会へ出席して自社関連業者へ発注するよう誘導)
  3. 一般社団法人を設立して無料セミナーで集客し、特定の業者へ誘導
    (今回の談合事件で公正取引委員会に排除命令を出されたコンサルタントの役員が一般社団法人の筆頭理事となっていた)
    ※一般社団法人は非営利法人ではありますが、営利活動や収益事業を行うことも問題ありません。ボランティアのように見えますが、施工業者やコンサルタントを紹介してマージンを受け取ることも可能なのです。
  4. 悪質マンション管理士が業者を紹介してバックマージンを得る
  5. 施工業者や悪質コンサルタントが理事を買収して自社へ誘導してもらう

 

■様々な手法で大規模修繕を食い物にする業者

憧れのタワマンを食い尽くす、乗っ取り屋の黒幕(大規模修繕/なりすまし/シンジケート団/テイエム技建/バランシズム/A-1設計/M&Hリライアンス)

大規模修繕に現れた“なりすまし住民” 業者に狙われたマンションと修繕積立金

 

談合によって3割以上も高くなる工事費

不適切な取引で各社のマージンが乗ることによって高くなる工事費。マンション管理組合が管理会社、コンサルタント、施工業者から提示された工事費を不審に思い、外部調査機関へ見積額の精査を依頼したところ、実に9割以上の工事において、工事の実勢価格の3割増し以上の不当に高い工事費を提示されていたことが分かりました。

では、そのような高い工事にならないためには、管理組合はどのように対処すればよいのかを解説してまいります。

ダマされないための対処法

大規模修繕を控えた管理組合は、まず長期修繕計画に則り管理会社より〇年度に大規模修繕工事が予定されていることを告げられます。そして管理会社の思惑によって以下の3つのいずれかの方法を提案されます。

  1. 管理会社の元請け工事
  2. 施工業者の紹介
  3. コンサルタントの紹介

1または2の場合、適正な工事価格が提案されることはまず考えられませんが、ベースとなる工事価格を知るために、費用が掛からない範囲で工事価格の見積りを受けることも第一段階としてよいかと思います。

通常は、建物劣化診断を行い、劣化状況と住民の要望事項を取り入れた改修設計、仕様書作成、設計見積りという段階を踏んでいきますが、相応の期間と費用が発生します。しかし、上記1、2は管理会社から指示を受けた施工業者が工事費の見積提出まで無償で行うことも多いです。(工事を受注できればこの費用は後で回収できるため)

施工業者を管理組合で探す?

施工業者を管理組合で探し、各社の提案、見積りを受ける場合には、やはり建築や修繕の専門的な知識が必要になるため、かなりハードルは高くなります。

施工業者が各々建物診断を行い、数量を積算して見積りを提出しますが、各社バラバラな仕様、数量、金額で提案されるため、それが適正であるかを判断するためには専門知識が必要となります。

コンサルタント方式と比較する

管理会社、施工業者からの提案を受けた後にコンサルタント方式で行った場合と比較することをお勧めします。その際には管理会社からの紹介ではなく、公募または管理組合でコンサルタントを探すことは絶対条件となります。

■コンサルタントの選定方法

悪質コンサルタントはコンサルタント料を安く設定してバックマージンで稼ぐことが主流ですので、コンサルタント料の多寡で決めてはいけません。しかし、最近ではこの情報も出回っているため、極端に安いコンサルタント料を提示する悪質コンサルタントも減っています。

理事会が住民総会でどのようにコンサルタントを選定したかの経緯を説明する際に、相見積りをとり、会社規模も大きく、実績もあり、費用も安い会社を選択したというストーリーを作りたいのです。

<コンサルタントが行う業務>

  • 建物劣化診断
  • 改修設計・仕様書作成(設計見積り含む)
  • 施工業者選定補助
  • 工事監理

※建物劣化診断は管理会社が既に行っている場合にはその結果を準用してもよいです。

ここで、悪質コンサルタントが最も重要視する業務は「施工業者選定補助業務」です。談合グループの施工業者に誘導することが大きな目的ですので、この業務を最も重要視しているのです。

悪質コンサルタントを排除するためには、コンサルタントの公募条件として「施工業者選定補助業務」を依頼業務からはずすということは非常に有効な手段であるともいえます。それでも応募するコンサルタントは一定程度信用してもよいと思います。

■施工業者選定補助業務も依頼する場合

施工業者選定の流れは以下の通りです。

  1. 公募条件の検討
  2. 建設業新聞等で施工業者を公募
  3. 応募業者の中から見積り依頼業者を選定
  4. 見積り依頼(6社程度)
  5. 見積り提出
  6. 見積り比較後、プレゼン業者を選定
  7. 施工業者によるプレゼン(3社程度)および選定投票
  8. 施工業者の内定
・施工業者の公募条件 その1 資本金

悪質コンサルタントの特徴として、公募条件の会社の資本金を1億円以上とすることがほぼすべてに共通する事項です。公正取引委員会から排除措置命令が出た施工業者はすべて資本金1億円以上の会社でした。これは公募の段階で談合グループの施工業者を選定するための条件です。

弊社の実績として総戸数100戸以下のマンションの場合、公募条件は資本金3,000万として実施しましたが、工事に特に問題がある会社はありませんでした。多くの会社に応募してもらい競争原理が働いて工事価格を安く抑えることが可能になります。

総戸数100戸以上のマンションでは資本金5,000万円とするケースが多いです。小規模業者では抱えている職人の数が少なく、限られた工期で完工することが難しいケースがあるためです。

350戸の多棟型、500戸以上の規模では資本金を1億円とすることが3物件ありましたが、ほとんどのケースでは資本億円ではない規模の会社でも問題なく工事を行っています。

・施工業者の公募条件 その2 応募資料の送付先

応募資料の送付先をコンサルタント宛てになっている場合、公募情報を見て応募した談合グループ以外の施工業者の情報は隠されてしまい、管理組合に報告する応募業者は談合グループの施工業者のみという状態になってしまいます。応募資料の送付先は、コンサルタントと同時に管理組合にも同じものを提出することを公募条件に加えるべきです。

・見積書の提出先

見積書の提出先はコンサルタント宛てではなく、管理組合理事長宛てとし、期限に提出された見積書を理事長の面前で開封して金額を確認します。管理組合の要望などで談合グループ以外の会社も見積り参加業者とした場合に操作されないようにするために有効な手段となります。

 

見積り金額の比較検討

コンサルタントに建物劣化診断と改修設計業務を依頼した場合には、設計仕様書・積算書・設計見積書が作成されます。この時点で管理会社・施工業者からの見積書と比較することも可能になります。

■改めて施工業者に見積りを依頼する

施工業者選定補助業務をはずした場合、施工業者を管理組合で選定しなければなりません。施工業者からの提案内容や金額の判断は難しいと前述しましたが、統一した仕様・数量で見積りを取るための資料(仕様書・設計見積書)が作成されるので、この資料を基に金額を空欄にして施工業者に見積り依頼をかければよいのです。

この方法であれば、同じ仕様の工事をおこなった場合の見積り金額を比較できるので、専門知識が無くても判断できることと思います。何もないところから施工業者に見積りを依頼するのとでは大きな違いがあります。

■工事単価の判断方法

書店やAmazonでも販売されていて、一般の方でも購入できる「積算資料 マンション修繕編」という書籍があります。こちらに記載された「シーリング工事の単価」です。

2成分ポリウレタン系シーリング 幅20×深さ15mm 目地 500m未満の単価は1,470円/mです。

 

<弊社実施価格>

こちらは、弊社が2024年6月に実施した工事の内訳書で、見積り6社の平均単価は893円/mでした。
「積算資料 マンション修繕編」に記載された価格の61%となっています。

この書籍は2年に一度改訂版が発行されます。10年以上前から書籍記載の価格と弊社の実施価格を比較していますが、概ね4割程度の差があり、これが公正な競争入札を実施した場合の実勢価格と考えられます。
裏を返せば、世の中のマンション修繕はこの価格が一般的であり、実勢価格から4割程度上乗せされて実施しているといえるのではないでしょうか。

管理組合は施工業者や管理会社から提出された見積書とこの書籍の金額を照らし合わせれば、どのくらい上乗せされた金額かを判断することができると思います。

弊社はリベートを受け取らないことによりこの価格を実現できています。

■工事価格の水増しは単価だけではない

工事価格は “単価×数量” の合計となります。単価を高く設定すると見抜かれやすいこともあり、数量も水増ししているケースが非常に多く見受けられます。この “数量” は数量積算書と実際の現地の劣化状況を確認して精査する必要があるため、簡単に判断することができません。

まずは、管理組合としてできることは、一部の抜き打ち(長尺シートの面積などいくつかの項目)でもよいので数量積算書と現地の数量(面積)を照合してみると良いと思います。

 

見積り金額を精査して一度立ち止まることも必要

上記のように、施工業者や管理会社から見積り金額を提示された際には、精査して明らかに高いと感じるのであれば、一度立ち止まって再検討することが重要かと思います。せっかくここまで時間と労力をかけたのに、また一から見直さなければならないのは勇気のいることだと思います。

しかし、皆さんが長年積み立てられた修繕積立金であり、今後の積立計画や積立金の不足、積立金の値上げなどに大きく影響することです。不正による工事価格の水増し分は、数千万円からマンションの規模によっては数億円の差が出ることもあります。

ご自身の大切な資産を守るためには、住民が一致団結してひとりひとりが当事者意識をもって行動することが重要です。日ごろから住民間のコミュニケーションと意識向上のための活動は管理組合の命題ともいえるでしょう。

 

談合は無くならない?

今回発覚した談合事件は氷山の一角であり、たまたま摘発されたごく一部の事案であると考えます。また、排除措置命令を受ける工事業者は合計16億円の課徴金とありますが、工事による売り上げがないコンサルタントは、課徴金の支払いを求められないのです。ペナルティがなければ不正をやめる理由がありません。

業界団体MCAの理事でもあり今回摘発されたコンサルタントの管理組合との契約内容に設けた不正に対する違約金・損害賠償はコンサルタント費用の10%と大変少額になっています。これでは痛くもかゆくもありません。

工事業者の課徴金は、認定された100棟で割ると1件当たり1,600万円です。おそらく談合によるマージンはそれ以上である可能性が高く、課徴金を払ってもおつりがくるとなれば、今後も続ける業者がほとんどだと思います。見つかれば“アンラッキーだった”くらいにしか捉えていないでしょう。

  • 1993年 ゼネコン汚職事件
  • 2005年 橋梁談合事件
  • 2018年 リニア中央新幹線談合事件

過去に建設業界の様々な談合事件がありましたが、上記の談合事件に比べてマンション大規模修繕の規模は小さく、今後も継続して公正取引委員会が範囲を広げて調査することは難しいことでしょう。

管理組合自身が意識を高く持ち、一致団結して取り組み、不正を排除するしかないと思います。

これから大規模修繕を迎える管理組合の皆様が不安に感じられるのであれば、ぜひ弊社へご相談ください。

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